パッケージが支えるイケアのデザインフィロソフィー(辰野 博一 ショートエッセイ)

前回ご紹介した寄稿「未来をつつむ、ソノサキのパッケージデザイン」では、「スペキュラティブデザイン(未来の多様な可能性を視覚化し、思考を促し、新たな問いを提起し、私たちの世界に別の可能性を提示するデザインの手法)」について取り上げ、具体的な活用例として、スウェーデンの家具メーカーイケアのプロジェクト「IKEA 2030」を紹介しています。このプロジェクトは、既存のデザインの範疇を超え、未来のライフスタイルや社会の課題に基づいて革新的なアイデアや製品を提案するものです。

 

そんなイケア社のデザインフィロソフィーは、「デモグラフィックデザイン(みんなのためのデザイン)」です。「価格」「品質」「機能」「優れたデザイン」「サステナビリティ」の5つの要素を、どれかが突出することなくバランスよく満たすことを目指しています。

 

イケアの商品梱包は、このデザインフィロソフィーの実現に重要な役割を果たしています。商品梱包メンバーも商品開発に参加しており、輸送効率を最大化するために工夫された梱包が作られています。また、多くの商品梱包が、ストアでそのまま陳列棚としても使用できるように作られています。段ボールの使用を最小限にするためにも工夫がなされています。高効率な商品梱包は、イケアの低価格への取り組みの象徴として評価されています。

 

こうしたイケアのデザインフィロソフィーは、未来のライフスタイルや社会の課題に対応するにあたっても変わらず大切に守られるでしょうし、商品梱包が果たす役割も変わらず重要であり続けることでしょう。

<参考>
イケアホームページ「小さな原点から世界的なブランドへ – イケアの歴史」 詳しくはこちら→
日経デザイン編「『買わずにいられない!』イケアのデザイン」(2015年、日経BP社)
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